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宮司版


   鷲と猿の置物

 (15年2月)
 わが家の床の間に昔からあった置物に、鷲と猿の焼き物があります。
 一羽の鷲が恐ろしい形相で小猿に襲ひかかって、ワシヅカミにしてさらって行かうとする姿をかたどったもので、悪いことをする子どもは皆鷲にさらはれるぞと、教へられたような記憶があります。その鷲の顔は、子どもの目には実に恐ろしく見えました。この置物がいつの時代からわが家にあるのかは不明です。
 あの置物は、何か古い昔話や物語の一場面をゑがいたものなのではないかと、あとで想像するようになったのですが、調べる方法がありませんでした。
 昨年末に鷲の神についての文章をまとめてゐるときに、この置物のことを思ひ出し、数年前に5万円ほどで購入した『CD-ROM版平凡社世界大百科辞典』(現在は3万円程度)で検索してみました。「全文検索」から「鷲」と「猿」の2つをキーワードに検索すると、いくつかの項目が表示され、「釈迦」の項目に次のようにありました。

 「〔今昔物語の〕巻五『仏前』は釈迦出生以前のインドの建国話や世俗的な話題が続くが,同時に本生譚も多く,預かった猿の子を鷲にさらわれ自分の肉を裂いて子を取り戻す獅子の話(獅子が釈迦の前世),……(中略)……等々,日本の昔話や伝説でもなじみの深い話がおもに釈迦の前世の物語として語られる。そこでは食物,風景などすべて日本のそれに変わっており,和文調のこなれたユーモラスな語り口で展開されている。」

 今昔物語に猿を襲ふ鷲の話があり、元は日本の昔話らしいのです。電子辞書とは便利なものです。一般に飾り物の彫刻や絵画などは、やはり古い物語の場面を描いたり、それを髣髴とさせるものが味はひ深いものです。
 今昔物語の元となった昔話については、電子辞書のように簡単には調べることができないので、今はここまでで満足としておきます。

  神社を題材にしたゲーム

 (15年2月)
 神社やお祭りを題材にした市販のゲームがあります。お子様の情操教育などに、良いかもしれません。

 (1)『おじゃる丸〜満願神社の縁日でおじゃる!〜』は、金魚掬、射的、綿飴、もぐら叩きなど12種類の大人もなつかしいゲームを、12人の登場人物の案内で楽しめる。 ゲームボーイ、ゲームボーイカラー専用。(エム・ティー・オー株式会社)

 (2)『御社掃除(みやそうじ)』は、Windows用で、神社境内の灯籠などの工作物の複雑な配置を避けながら落葉を一ヶ所に集めるゲーム。1シーンをクリアするごとに難しくなり25シーンある。カーソルキーだけで操作する。(エム・エス・デー・ジャパン、\980)