村の費用で賄う行事

明治2年の幡羅郡原之郷村の文書から。
助郷などに関連して刎銭やら村に支給される金銭などもあったようで、その使途について書かれた文書に、村の行事などが23項目書かれていた。項目名だけではわかりにくいので、その説明を試みたが、こちらの想像のみの部分があるので、さらに後日に再考が必要となる。「」内は辞書から引用。

一 鳥猟運上金 并 鑑札
    鑑札を得て、鳥の捕獲をしていたようだ。
一 風祭り鎮守湯立
    風祭りとは、「風を鎮めるため二百十日の前後に行う祭。風日待。とうせんぼう。」
    湯立 「神前で湯を沸かし、巫女が熱湯に笹の葉を浸して自分の身や参詣人にふりかける」「舞と結合して芸能化」

一 福正寺留場料
    ※福正寺 国済寺末 薬師如来 普化宗 稲荷町現高橋仕立屋付近にあった。
一 年中諸浪人足銭泊り

一 年中座頭足銭泊り
    座頭は琵琶法師などの芸能者のことか
一 同 諸勧化
    勧化は、神仏関係者への寄付
一 榛名山氷礼祭り
    (不明)
一 丈方川浚 人足賃
    丈方川の川底を定期的に浚う仕事の賃金。本来は所有する田の面積に応じての人足負担だろうが、面積に応じた村費の負担があれば、村費で人足賃を払うのが合理的なのだろう。
一 年中郷送り物
    郷送りとは、村送りのこと。原郷村では、村内というところを郷中ということがある。
    村送りとは、廻状や、人別送りなどのことらしい。
一 同諸人足
    廻状を他村へ伝達するなどの仕事
一 年中諸山御師
    諸山とは、羽黒山、熊野山。伊勢は伊勢講の組織があったろう。
一 京都愛宕山勧化
    愛宕山の関係者が定期的に来たようだ。
一 秋作番賃
    収穫間近の田の見回り担当者のことか
一 丈方川定式
    川の維持管理のための毎年決まった仕事
一 年中瞽女
    瞽女などの芸人に関する費用。宿泊などの諸費用。事実上は、村の主催で、入場無料か。
一 高畑堰杭木代
    高畑村の堰から用水を分配して田に導いたのだろう。堰を維持・補修などのための杭の費用。
一 同 番賃
    堰を管理担当する者の費用。

一 年中定遣給
    定例の出張や、伝達の費用
一 年中当番蝋燭代
    夜勤の当番の蝋燭代
一 同当番筆墨紙代
    毎年の文書を作る墨紙代
一 同割場弁当代

一 番非人敷地代
    深谷宿入口に非人小屋があった。その土地は百姓の誰かのもので、借地料。
一 年中御年貢納入用
    年貢納入のための費用。

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