天神講の紙の旗

『近世のこども歳時記』(歴史を旅する絵本、岩波書店、宮田登:文、太田大八:絵)という本をを見ていたら、「一月」のところに、
「今日は天神講です。朝早く男の子たちは「奉納天満大神宮」と書いた紙の旗を祠に収めてから、寺の本堂に集まりました」
と書かれていた。

子どもが「紙の旗」を納めるというので、すぐに思い出したことがあった。
以前に、古文書を保存してあった長持ちの中に、くしゃくしゃに丸めてあった紙のことである。

その紙は、長さ60cmほどで、子どもの下手な字で、

「天満大自在天神宮御ほぜん 明治二年四月廿三日」

と書かれてあったものである。


天満大自在天神遇
天神講の日に、子供たちが、学問の上達を祈って、紙の旗を納めるという慣習があったのだろう。
我が家のものは、二枚書いたうちの良いほうを納めて、一枚が残ったのかもしれない。

天神さまの祭は、1月か2月の25日が多いと思うが、毎月25日、または年何回かの25日というのもあるらしい。当地では4月25日にもあり、その2日前の23日に書いたもののようである。「御ほぜん」とは、「御宝前」のことだろう。

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