横浜市歴史博物館の企画展のパンフレット

【古文書倶楽部2016-10】
横浜市歴史博物館の企画展のパンフレット『絵図・古文書で探る村と名主』は、
武蔵国久良岐郡上大岡村、今の横浜市南部のあたりの村の古文書についてのもの。
村の絵図面や地図が多数収録され、江戸後期のもの3点、明治のものが約10点、数が多いので、展示のときはインパクトがありそうだ、

文書に関しては5つに分類されているので、分類法などを考えるための参考に、列挙する。

(1) 領主の支配と村
「支配」という言葉が好きな人が多いのかもしれないが、そのようにやるなら明治や現代文書でもやらねばならないので、当ブログはやらない。この分類(1)の内容は、
「御触書」「高札」「御条目」などの写し。「五人組書上げ帳」。鉄砲取締りの文書。高札の現物は明治初頭のもの。
上からのお達し文書は、明治時代よりは比較にならないほど少ない時代ではある。
「村高家数人別書上帳」は求めに応じて作られる村の概要。「宗門人別帳」は恒例のもの。一方的なお達し文書とは違う。

(2) 検地と年貢
「文禄の検地帳」があるのは珍しいか。他は「年貢可納割付」「年貢皆済目録」など。他村との入会である秣場の野銭に関する文書。


(3) 社寺
「社寺名前書上帳」「同什物器財書上帳」などは明治初年。宮普請や講中の寄付帳。
名主家が寺へ寄付したときの寺の受取。分類(5)でないのはページ構成の関係か。

(4)村の出来事
「儀定連印帳」各種。川普請、水利関係。〈村方騒動〉と編者が名付けているもの。家督證文。
侘入證文は、口頭注意でなく證文を書かせることが多かった。今のようになあなあでやって後々曖昧になりにくいので良いと思う。声だけは大きい者が後で復活するのも多少は防げるかもしれない。

(5) 名主北見家
名主家の、名主任命、苗字帯刀、給人格。遺言状。什物などには箱書がある。
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