楡山神社の境内神社
(1) |
荒神社(こうじんじゃ) 通称 荒神様 火の神、かまどの神であり、火の災いを防ぎ、家を守護する神。 もと原郷東北部(字根岸)の田へ降りる手前に鎮座。年代不詳。配祀の神はその境内にあった諏訪神社、春日神社を合祀したもの。本殿の彫刻が美しい。 |
主祭神 火産霊命(ほむすびのみこと) 奥津比古命(おきつひこのみこと) 奥津比売命(おきつひめのみこと)、 配祀 御穂須々美命(みほすすみのみこと) 天津児屋根命(あめのこやねのみこと) 斎主命(いはひぬしのみこと) 武甕槌命(たけみかづちのみこと) 比売命(ひめのみこと) |
(2) |
天満天神社(てんまんてんじんじゃ) 通称 天神様 学問の神。和歌や書の神でもあり、雷除けの神でもある。配祀の市杵島毘売命(通称弁天様)は音楽や技芸の神。 もと原郷東部(字木之本)の仙元山古墳に鎮座。同所の富士浅間神社(浅間様)、小御嶽神社(以上は元Y家所有)、および字根岸の市杵島神社を合祀。さらに根岸の荒神社の末社の天神社を合祀。 根岸には根岸沼の地名あり。浅間様は養蚕守護などの神で、明治の中ごろまでは富士講が盛んだった。 |
主祭神 菅原道真公(すがはらのみちざねこう) 配祀 市杵島毘売命(いちきしまびめのみこと) 岩長比売命(いはながひめのみこと)、 木花佐久夜毘咩命(このはなのさくやびめのみこと) |
(3) |
大物主神社(おほものぬしじんじゃ) 原郷東部・字東原の大物主神社と、古くからあった境内社の金刀比羅神社と怡母神社を合祀したもの。現在は石璽のみ。塚の跡ではない。(※別注) |
御祭神 三輪大物主命(みわのおほものぬしのみこと) 少彦名命(すくなひこなのみこと) |
(4) |
手長神社(てながじんじゃ) 通称 手長様 火防せの神。 原郷西部・字城西より移転。ほかに木之本の天満天神社の境内社、根岸の荒神社の境内社、新坪の大雷神社の境内社、の3つの同名神社を合祀。 |
御祭神 天手長男命(あめのてながをのみこと) |
(5) |
大雷神社(だいらいじんじゃ) 通称 雷電様 原郷北部・字新坪(原新田)より移転。字根岸の三峯神社を合祀。 |
御祭神 大雷神(おほいかづちのかみ) 伊邪那岐命(いざなきのみこと) 伊邪那美命(いざなみのみこと) |
(6) |
八坂神社(やさかじんじゃ) 通称 天王様 字根岸の地より移転。 |
御祭神 須佐之男命(すさのをのみこと) |
(7) |
伊奈利神社(いなりじんじゃ) 通称 稲荷様 北向き稲荷 穀物神および養蚕守護の神。 原郷中部・字中原の伊奈利神社(現在の外宇)を移転(元八日市T家所有)。 また、原郷東部・木之本の天神社の境内社の伊奈利神社および同所富士浅間神社の境内社の富士守稲荷神社を合祀(元Y家所有)。 さらに字城西の手長神社の境内社・地神社を合祀。 |
御祭神 豊受毘売命(とようけびめのみこと) 大地主命(おほとこぬしのみこと) 埴山毘咩命(はにやまびめのみこと) |
(8) |
知々夫神社(ちちぶじんじゃ) 通称 妙見様 幕末のころ字木之本と根岸の境の妙見山古墳に勧請。もと木之本のY家所有 |
御祭神 八意思兼神(やこころおもひかねのみこと) 知々夫彦命(ちちぶひこのみこと) |
境内神社の旧鎮座地
ピンク色が当時の「境内地」。 愛宕神社の周囲と楡山神社の西の焦げ茶色は「官有地」(上地で
召し上げの国有林。但し楡山神社の西の全部と愛宕神社の周囲少しは現境内地)。
薄緑がかった部分は山林。黄金色は田(原郷境界外は地図にない)。灰紫色は宅地。
愛宕神社前の東西の道路は中山道。地図左の鉄道は日本煉瓦工場専用線。
※別注※ 明治以前の境内社に金刀比羅神社(ことひらじんじゃ)と怡母神社(いぼじんじゃ)の名が見える。このうち、怡母神社とは、現在の境内北西の隅に県道に向いて建っている通称 疣地蔵のことである。明治以前から祀られてあったものの中には仏教色の濃いものがあり、明治の神仏判然令によって名称を神道式にして書類に残された。金刀比羅神社、さらに境内へ移転したと記録にある大物主神社の建物は、当時描かれた江森天寿画伯の絵に見える建物の大きさから推定すると、現在愛宕神社の入口左脇の名称不明の末社以外に相応のものはなく、調査中である。神道式への名称変更の例は、埼玉県北部に多い「二柱神社」が元は妻沼歓喜院(聖天様)の分祀ないし同様の「聖天宮」だったものを改称したものであるなど、少なくない。 |